城下町の地図から江戸城を目指せ!
11日 4月 2025
翌朝、僕はディランを連れて城下町へと向かった。 徳川家斉の姿を実際に見ないと、彼女はその対象に 変化することができない。写真か映像が必要だ。 将軍を撮る!そしてさっさと現代社会に帰りたい。 江戸時代に来てから、すでに24時間経過していた。 残り48時間以内に、将軍を撮る→ディラン変身 →北斎に命令、までを完了させなければならない。 『...

残り時間から逆算してミッションクリアを目指す
07日 4月 2025
もはやそれ以外に解決方法は無いように思えた。 あの我の強い、葛飾北斎という頑固な職人絵師に 肖像画を描かせるなど、普通の方法では無理だ。 それならば、この時代における絶対的な権力を使い 無理矢理にでも描く状況を作るしかないだろう。 お上の命令は絶対、逆らえば切腹、という時代だ。 さすがの北斎もこの方法を使えば従うに違いない。...

将軍の権力を使って絵を描かせる大作戦!
03日 4月 2025
その言葉をつい思わず独り言のように呟いた時 円卓を囲む皆の視線が集まってることに気付いた。 顔を上げてモニターを見ると、DJスケルトンも ティーカップを持って僕の次の言葉を待っている。 『 あ、いや…この時代には絶対的な権力者がいて それが将軍。そいつの命令には誰も逆らえない 』 ここまで話すと、シンディは理解したようだった。 『...

肖像画の本質を優雅に語るスケルトン
26日 3月 2025
『 え?ダメに決まってるじゃないですか 』 DJ姿のスケルトンは僕の質問をあっさり否定した。 『 肖像画ですよ?そこにある絵はシンディさんの 本当の姿を描いたものではないので、NGです 』 必要な説明を終えると、アゲちゃんはレコードを 1枚取り出してブースのプレイヤーにセットした。 ヨハン・パッヘルベルのカノンが部屋に流れる。...

無礼な態度への仕返しは絵にて決着
24日 3月 2025
絵を受け取ったシンディは、両手でそれを持って しばらく立ち尽くしていた。明らかに様子が変だ。 ここから彼女の背中しか見えないが肩が震えている。 な、なんだ? 一体どんな絵を北斎は描いたんだ? 僕は彼女の肩越しに、そ〜っと絵をのぞき込んだ。 『 どうだ、猫娘?』 北斎はイタズラっぽく笑う。 そこに描かれていたのは妖怪のような猫娘だった。...

いつの時代も変わらぬ絵師の生き方
20日 3月 2025
北斎が小さな机に向かって猫の絵を描きはじめると もの凄い集中力が見ているこちらに伝わってきた。 武道の達人が立ち合いで真剣勝負をしているような 切るか、切られるかのピン、と張り詰めた空気。 いま彼に話しかけたら切られるかと錯覚さえする。 『 先生はいつもあんな感じで絵を描くんですか?』 僕は部屋の隅に座り、お栄さんを見上げて聞いた。...

ついに北斎に肖像画を描いてもらうことに成功か
16日 3月 2025
北斎はその視線を受けると「ちっ」と舌を鳴らし 『国芳なんざ関係ねぇ』と吐き捨てるように言った。 北渓さんはその絵をまじまじと見て感心していた。 『 国芳がこんな絵を描くとはねぇ…。いや、ホラ アイツは荒々しい武者絵を描くじゃないですか 』 『 そうだねぇ 』 お栄さんが絵を畳の上に落とした。 北渓さんはそれを肴にして茶碗に入った酒を飲む。 『...

北斎が猫を描こうとしている理由を知る女性
12日 3月 2025
その後、シンディはディランになついた猫を操り 僕は歌いながら猫と一緒にラインダンスを踊った。 するとディランの元に猫が1匹、また1匹と集まり 結果的に5匹の猫と30分近く踊るハメになった。 それを見て北斎と北渓(ほっけい)さんは大いに喜び 北斎は饅頭をほおばり、北渓さんは酒を飲みだす。 何でこんな状況になったのだろうか・・・。 『...

カステラソングを替え歌にして江戸時代で披露する
09日 3月 2025
シンディや北斎は「はぁ?」といった反応だった。 ディランや北渓さんは期待の眼差しで見ている。 ・・・まぁいいや、ここまできたら歌うか。 僕は開き直った。歌えばいいんだろ、歌えば。 『 では不肖私、アドリブマンが・・・吟じます!』 カステラ…は1番にしたらダメだな。この場合は 今の時代と状況に合わせた歌詞にする必要がある。 『...

何か歌え、という謎のプレッシャーに襲われる
06日 3月 2025
よし、北斎の興味をうまく惹きつけられたようだ。 あとはシンディが能力を使えば作戦完了だろう。 僕は彼女に目で合図を送る。『 今だ、やれ 』 と。 相変わらず彼女の表情は乗り気ではなさそうだ。 やはり北斎からの暴言にまだ気を悪くしてるのか あるいは、僕がアドリブで勝手に話を進めている のが何となく面白くないのか、どちらかだろう。...

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