『 え、、、 』 シンディーと顔の距離が近づくと
ペンギンの顔が、みるみるうちに青ざめていく。
獲物を見つけたヘビとエサが並んでいるようだ。
『 ムーピーよ?珍しくない?』 彼女は僕に言う。
『 いや、知らない。姿も見たことないし 』
能力を使って、その姿が見えてるのは彼女だけだ。
『 あ〜、そうなんだ。ちょっと待ってね 』
そう言って彼女は両手をペンギンの方にかざした。
すると手の平から青白く光る波動が放出される。
これがシンディの『 無 ( スルー ) 』 のチカラだ。
この光に包まれると、特殊効果は全て無効になる。
ゾーマの『 いてつく波動 』と原理は同じである。
ちなみに、彼女は悪魔星の出身でゾーマは同期だ。
バラモスは後輩、星の王子はアシュラマンである。
『 えっ⁉︎ あっ、やめて!』ペンギンは逃げ出した!
しかし、シンディに回り込まれてしまった!
そして光に包まれたペンギンが次第に溶けていく。
これが本来の姿か…白く光るスライムのような。
『 な、なんてことするんですか!』 白く光る液体が
ウネウネと波打つ。どこで喋っているのだろうか。
『 まあいいじゃない。どうせ変わるんだし 』
シンディはしゃがんで、ムーピーを指でつついた。
『 こんな感じのベーシストになりなよ! 』
彼女はスマホを出してビリーシーンの写真を見せた。
『 いやです、そんなオッサン。私、メスですし 』
『 なら、これは?』 彼女はまた別の画像を開いた。
『 ああ、これなら… 』 ムーピーは気に入ったようだ。
そして白い蒸気を出し、再びその姿を変えていく。