『 さて、とりあえず端末のチェックをするか 』
宇宙船内のリビングを出て、操縦室に入った僕は
床にドカッと座り、工具や機材の準備を始めた。
この部屋の内装もやはり壁、天井までピンク色だ。
操縦席には大きなモニターが横にズラリと並び
様々な環境データをリアルタイムで表示している。
半径500m以内の生体エネルギーも感知可能だ。
『 ウィルスチェックですか?心配いりませんよ。
ハデス製品は完全独立型の回線を使ってますので 』
黒い小型ゲーム機のような端末の液晶画面には
AIオペレーターのアゲちゃんが表示されている。
DJドクロはブースでノリノリでレコードを回す。
『 まあ、一応ね。ここが乗っ取られたら最悪だし 』
ここが船内の全てを管理する脳の中枢部にあたる。
僕は自分のデバイスとハデス製品の端末を繋ぎ
特殊な解析ソフトで、端末内のデータを分析した。
僕のデバイス画面に次々とそれが表示される。
『 ・・・これは、凄いな。すごい技術だ 』
僕はアゴに手をあて、その驚愕の技術にうなった。
これが40万ギル…? 超一級のテクノロジーだ。
『 これなら、いける・・・すげえ、すごいな! 』
僕は興奮した勢いで宇宙船の外部入力をオンにし
ハデス端末と同期させる。船内が一瞬暗くなった。
画面がチカチカ点滅して、ザザッとノイズが走る。
『 ねえ、何してんの?』 そこで背後のドアが開く。
怪訝な顔をしたシンディとディランが立っていた。
『 シンディ、こいつはすごいぞ 』 僕は彼女にその
驚異の技術を説明し、操縦席のモニターを見せた。