DJドクロがそう叫ぶと、黒いゲーム機の画面が
レインボーにピカピカ光って、レコードブースの
レコードがアップになり、クルクル回りだした。
シンディは呆気にとられた表情でそれを見ている。
ディランは・・・冷や汗? 何故か青ざめている。
『 ハイ!レベル1つにつき、ミッション1つね 』
再びDJドクロのアゲちゃんの顔がアップになった。
そして回っているレコードを骨の指でキュッと止め
画面に向かって、それを掲げて内容を読みあげる。
『 葛飾北斎に肖像画を描いてもらってLvアップ 』
・・・全く意味が分からない。謎の沈黙が訪れた。
『 何これ、どういうこと?』 シンディは振り返って
ディランに問いただそうとした。 『・・・アレ?』
しかし、ディランの姿はいつの間にか消えていた。
『 逃げたんじゃね?』 僕がシンディにそう言うと
彼女はふぅっと、ため息をついて床に手をかざす。
『 召喚 』 シンディは召喚魔法を使ってディランを
呼び戻した。1度召喚したモノは何度でも呼べる。
『 あ、うぅ… 』 ディランは明らかに狼狽していた。
『 何で逃げたの?説明しなさい 』 シンディは静かに
ゆっくりとディランに詰め寄って圧をかけた。
『 ご、ごめんなさぃぃ!まさかハデス製品とは
全く思ってなくて、うぅ 』ディランは泣き出した。
『 え、ハデス?』シンディの動きがピタリと止まる。
ゲーム機からアゲちゃんの陽気な声が鳴り響いた。
『 毎度おなじみ、ハデスの取引はあなたの寿命 』
シンディは鬼の形相でゲーム機につかみかかった。
『 無し!今の無し!』 『 そいつは無理ですね 』