『 この画面の手の平マークに手を合わせると
認証後にAIオペレーターに繋がるみたいです 』
ディランは身振り手振りを使って説明を続けた。
シンディは胡散臭そうな表情でそれを見ている。
『 ある条件って何?』 彼女が冷静に質問をすると
ディランの動きがピタッと止まり、首をかしげた。
『 さぁ…? 』 シンディはそれを見てイラッとした。
『 そんなアイテム、使えるわけないでしょ!』
彼女はゲーム機をソファの脇にドサっと投げると
何ごともなかったかのように雑誌をバサッと開く。
『 で、でも…!レビューは星5だったんです!』
ディランは必死だ。故郷の星に帰るために色々と
調べたんだろうな。僕は彼女に同情して質問した。
『 どこで買ったの?』 『 ギャラオクで落札しました 』
ギャラオクとはギャラクシーオークションの略。
全宇宙のアイテムがそこで売買されている。
確かにそこならレアものが手に入るかもしれない。
『 40万ギルも使ったんです… 』 それを聞いた瞬間
シンディの目の色が変わった。『 40万…!?』
彼女は雑誌を閉じた。『そんな高いの?それ?』
日本円に換算すると、新車が余裕で買える金額だ。
ディランがそんなにお金を持っているとは・・・
『 ま…まあ、試しに認証だけでもしてみれば?』
さすがに40万ギルを無にするのは勿体ないだろう。
『 う〜ん… 』 シンディは腕を組んで悩んでいる。
『 召喚レベル10でリヴァイアサン呼べます!
野外ライブ、それで盛り上げましょう!先パイ!』
ディランの一言でシンディの心は大きく傾いた。