2017年4月、渋谷REXにて開催された
森野 雄貴(もりのゆうき)さん率いる
【SHOW舞CANワンマンライブ】
19:00オープンの会場にはすでに
30分前から長蛇の列ができていました
森野さんのライブは初めてでしたが
SNSの内容やCDの完成度などから
当日はかなりの集客になるだろうな
・・・という予測はしていました
キャパ300人クラスの会場がパンパンの
スタンディングで埋まるレベルです
恐らく300人を超えるオーディエンスが
会場に詰め掛けていたと思います
演奏に関してはやはり申し分なく
相当なこだわりを持ってバンド全体で
きっちり仕込んできたなと感じました
300人動員から先に進むためのジレンマ
彼のサウンドに関してはファンの方も
素晴らしいのは十分に承知していると
思いますので、今回は少し違った側面
「ライブ会場での顧客満足」
について書いていきたいと思います
恐らく森野さん自身、これで満足する
はずもなく500、1,000人といった数も
視野に入れて活動していると思います
そして、そこで数と質のジレンマに
悩むこともあるのではないでしょうか
ライブ会場に足を運んできている
お客さんの約半分は、彼自身が
SNSで1人1人に丁寧にメッセージを
伝えて呼んでいる人たちです
1人1人に「おもてなしの気持ち」を伝えるライブ
ライブ終了後もすぐにメンバーと
入口で待機して300人近いお客さんと
1人1人丁寧に会話をし、お見送りして
記念写真を撮影したりしていました
これは本当にすごいことだと思います
つまり、今の森野さんのライブは
1人1人のお客さんの顔が見える
≪おもてなしの気持ち≫で成り立って
いると言い換えることもできます
そして、ここがジレンマになります
ではそれが500人、1,000人となった時
今と同じ「おもてなし」の気持ちを
1人1人に伝えることができるのか?
これは本人も悩むところだと思います
潜在的に失われているかもしれない顧客満足
SNSのメッセージは1,000人くらいなら
頑張れば送れるかもしれませんが
先ほどのお見送りなどは難しくなります
実際、僕は列の最後尾の方でしたが
店から出るのに約40分かかりました
(出口が1つだったこともありますが)
300人の時点ですでに「顧客満足」が
潜在的に失われている可能性があります
そして怖いのは、それを直接的に本人が
知ることは非常に難しいということです
アンケートなどがあれば別ですが
そういったことをハッキリ伝えてくれる
人は滅多にいるものではありません
また、スタンディングでパンパンの
ギュウギュウ詰め状態のライブ会場で
僕は列の最後尾で壁を背にしてましたが
いつの間にか手を挙げるスペースも
無いほど壁に押し付けられていました
何でだろう?と不思議に思っていると
このパフォーマンスが原因だったのです
ステージ上から見えないお客さんの心理状態
このタオルを振り上げてブンブン回す
【タオルパフォーマンス】前列の人は
当然ライブを盛り上げようという意識が
高いのでタオルを思いきり振り回します
最後列のお客さんは視野に入りません
そして周りへの配慮で前列は隣同士に
ある程度のスペースができていきます
すると、その分のスペースが奪われて
後方の人を更にギュウギュウ詰めにする
という現象が結果的に起きていたのです
ステージ上からは分からないと思います
「後ろの方はタオルを回さなくて
ノリが悪いな」と見えたかもしれません
しかし、実際はタオルを回すスペースが
無くなっている人達も後ろにいたのです
300人動員から先に進むための分岐点
これは後方の人しか分からない体験です
そして、2時間近くも立ちっぱなしで
その状態でいると実際、かなり疲れます
トイレに行ったり、ドリンクを取りに
行くのも困難になり、音を楽しむことに
だんだん集中できなくなってくるのです
もちろん、これは300人の集客で会場を
埋めるバンドだからこそ起きる現象です
だからこそ、この分岐点をどうするか
A:更に500、1,000人集客を目指す
B:300人の顧客満足を最大限に上げる
に差し掛かっているのだと感じました
金銭的な売上なども絡んでくるので
一見するとAの方がいいようにも
思えてきますが、長期的な視点で見ると
僕はBのようなバンドが最終的には
いいカタチでAに辿り着くと思います
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