「僕、今のバンドは少し
置いておこうかなと思ってるんです」
新宿の居酒屋のテーブル席で
いっぺいはビールジョッキを片手に
おもむろにそう切り出した
この日はツキミタイヨウの
ギターボーカル、いっぺいと
あの名曲「アイロニー」を
スタジオで一緒に合わせて遊ぼう
ということで、20歳のドラマー
郷クンと3人でセッションをしていた
その帰りに飲みにでもいくかと
適当にそこら辺の居酒屋に入り
さっきまで風俗やらオッパブの話題で
盛り上がっていたところである
男3人の会話は一転して
シリアスな空気に変わった
ちょうど先日の2016.6.25に
吉祥寺のPlanet K で
初のワンマンライブを成功させた
矢先のハナシである
これからというバンドなのに
一体なぜ、彼がそう考えるのか
最初は分からなかった
「メンバーが結婚したりして
バンドのフットワークが重くなって
きちゃったんですよね」
確かに結成5年を超えて
それぞれのメンバーもいい年齢に
なってきた頃である
「だったらもっと新しいことを
スピーディにやりたいと思いまして」
そして彼は新しくはじめた
モノガタリピクチャーという
バンドについて語りはじめた
2016.11.12
下北沢の「ろくでもない夜」にて
そのバンドのライブがおこなれた
ライブハウスの前に置いてある
ブラックボードには
「モノガタリピクチャー
イベンジャーズ、藤森キミカ」の
合同企画と蛍光ペンで書かれていた
ゲストにRADWINPSのMVや
GLAYのオープン映像を制作
SEKAI NO OWARIの
キャラクターデザインなどを
手がけている水江 未来 氏を
迎えてのコラボイベントのようである
以前から思っていたが
いっぺいの人脈はなかなか幅広い
声優、女優、構成作家など
アートに関する色々な人との
繋がりを持っている
モノガタリピクチャーの演出も
まさにそれを反映するものだった
女子高生に扮した2人の声優が
ストーリーを展開し、それに合わせて
バンド演奏が進行していく
これに更にストーリーを読みあげる
男性の語り手、出演者が加わり
合計7名での音楽、演劇
そして水江 未来 氏のアニメーション
による総合演出が展開された
なるほど、彼が今やりたかったのは
こういうものだったかと納得した
正直、ツキミタイヨウという
バンドをもっと続けて欲しいという
気持ちが若干あったが
これを見て、新しいコンセプトへの
チャレンジもぜひ続けて欲しいと
素直に思ったライブだった
バンドを続けていくと
自分のやりたいことに枝葉が
ついていくのは自然なことである
それを実現するための
フットワークの軽さ、そして人脈を
彼は最大限に活用していた
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