『 ひゃ、ひゃく年…? それはミッションクリア
できなかったら、マイナス100歳ってこと?』
シンディは唖然とした表情でアゲちゃんに聞いた。
『 そうですね!報酬の対価を魔族の平均年齢と
照らし合わせて計算すると、その年数になります 』
シンディは首を振り、バカバカしいといった風に
『 5ミッション失敗したら、わたし死ぬんだが?』
『 そうですね!』 シンディの嫌味など全く気にせず
アゲちゃんはAIオペレーターとして返答する。
『 魔族の平均年齢が500〜600歳位ですので!』
この明るい言い方を聞き、彼女の怒りは爆発した。
『 ふっざけんじゃないわよ!勝手に人の寿命を
限界まで奪うとか、頭おかしいんじゃないの!?』
アゲちゃんは事務的に答えた 『 盟約ですから 』
・・・沈黙、このままだとシンディはゲーム機を
本当に破壊しかねないので、僕が間に入った。
『 でも、葛飾北斎はこの時代の人間ではないし
この宇宙船にタイムトラベル機能は無いですよ 』
するとアゲちゃんは、リズムに乗ってこう答える。
『 心配ご無用、この装置を外付けすればOKデス 』
…マジか? ハデスそんな高度な技術もってんの?
本当だとしたらすごい。タイムトラベル機能を
宇宙船につけるには、億単位の金額が必要だ。
僕の宇宙船整備士としての好奇心が刺激された。
『 シンディ、ちょっと試していい?』 『・・・』
彼女は怒りを通り越して、もはや放心状態だ。
ま、何かあったら後で報告して修理すればいいか。
僕は意気揚々と装置を持って操縦室へと向かった。