『 キターーーーーーッ!』
うぉっ!?なんだ? 部屋の奥でパソコン作業を
していたディランが突然、大声で歓声をあげた。
驚いて彼女の方を見ると、パソコン横に置いてある
転送機に荷物が届くのをソワソワと待っている。
『 あ、アドさん、こんにちは 』 彼女は明るく笑った。
ようやく僕が部屋にいることに気付いたようだ。
3秒後、転送機に黒い物体が現れた。ゲーム機?
『 先パイ、きました!』 彼女はそれを手に持って
ソファで寝転がっているシンディの方に駆け寄った。
彼女は怪訝な顔つきで、そのゲーム機を見ている。
『 何で先パイなの?』 僕は素朴な疑問を聞いてみた。
『 え?だって、私より100歳も年上なんですよ?
私がいま、200歳ちょっとで・・・ガッ!?』
ディランが話終える前に、シンディの手が彼女の
顔面をガッチリとらえた。ア、アイアンクロー!?
ディランは両手を上下にバタつかせて、もがく。
『 年齢の話はすんなっつったでしょ? 』
シンディは穏やかな表情だが、かなり怒っている。
あっ、ディランがシンディの手を3回タップした。
『 ギブ!ブレイク!』 僕は2人の間に入って止めた。
『 で、それは何?』 シンディはソファに再び座った。
ディランは中腰の姿勢で、肩で大きく息をしている。
『 は、はい…、アゲアゲくん、レアアイテムです 』
彼女はそれをシンディに渡すと、説明をはじめた。
『 これを使うと、ある条件と引き換えに、能力や
スキルのレベルを上げることができるんです!』
ディランは目を輝かせて、熱くプレゼンを続けた。