『 40万ギルかぁ・・・ 』 シンディはソファの上で
アグラをかいた姿勢になり、まだ悩んでいる。
確かに、ここ最近は召喚魔法の練習をしていない。
初期レベルの頃は近所の公園を使っていたのだが
そのうち子供達のギャラリーが増え、その親がきて
自治体や警察まで来るようになってしまった。
なので彼女の召喚レベルは、まだ5で止まっている。
レベル10まで上がれば、ディランを元の星に戻す
転送魔法を使えるようになるのだが、かなり遠い。
普通に訓練したとしても、3〜5年はかかるだろう。
ましてや、シンディは訓練する気もさらさら無い。
しかしイフリートやリヴァイアサンは呼びたい…。
彼女の手がゲーム機の方にゆっくり近づいていく。
あ、たぶん決心したな。迷いが晴れた目をしている。
シンディは黒いゲーム機の画面に表示されている
手の平マークに、恐る恐る自分の手を合わせた。
ディランは期待と興奮の眼差しでそれを見ている。
3秒後、ゲーム機が青白い光を放って喋りだした。
『 認証完了。対象能力と希望Lvを選んで下さい 』
シンディは淡々と案内に従って、画面を操作した。
全ての入力が完了すると突如、爆音が鳴り出す。
マイケルジャクソンの「Bad」だ。それと同時に
画面中央にファンキーなドクロのDJが現れた。
『 ハイどーも、シンディちゃん。あ、魔族なんだ。
僕、アゲちゃんと申します。どうぞよろしく 』
これがAIオペレーターか。しかしなぜ、ドクロ?
『 召喚魔法レベル5アップ希望ね。オッケーよ。
では、ミッションルーレット、スタートォ!』