手話歌を必要とするのは手話への興味、関心が薄い僕たちのような人

今まで色々なライブを見てきた中で

手話をしながら歌をうたう

「手話歌」を披露している

アーティストが何人かいました

初めてそれを見た時の感想は

「へー、珍しいなぁ」程度でした

 

しかし、今回それについての

記事を書こうとした時に

なかなか筆が進みませんでした

何となく軽々しく書いては

いけないテーマだと感じたのです

実際に調べてみたらその通りでした

 

まず、ネットで手話歌を調べると

賛否がバッサリと分かれていました

(A)手話をパフォーマンスとして

使って欲しくない派

(B)手話に興味を持ってもらう

いいきっかけになると思う派

 

手話についての無知と無関心を痛感

大きくはこの2つの意見です

僕は後者に賛成なのですが

実際に耳が不自由な方の気持ち

というのは分かりません

それを判断するにはまだ情報が

ぜんぜん足りないと思いました

 

何しろこの段階では

「補聴器をつければいいのでは?」

と思っていたくらいですから

それが全くもって無知で失礼な

感覚だったことを知りました

聴覚がほとんど無い人もいるのです

 

【ろう者】…聴覚がほとんど無い人

【ろうあ者】…聴覚がほとんど無く

また、喋ることが困難な人

【難聴者】…聴覚が低下した人

これらを一括りに「耳の不自由な人」

と考えてしまっていました

 

ろう者の人は補聴器を着けません

まず「ろう者」の方が補聴器を

着けないということを知りました

なぜなら着けても聞こえないからです

なので見た目では耳が不自由だと

他の人には分かりません

きっと不便なことが多いと思います

 

吉野家と松屋を選ぶとしたら

「松屋」の方に行くそうです

何でだと思いますか?

松屋は「食券」で注文ができるから

それを知って僕は驚きました

身近にそういった人がいるかも

という意識すら持ってなかったのです

 

例えば僕が手話をちょっとでも

知っていれば、そういった人に

気付くことができたかもしれません

そう考えると僕のような人が

「手話」に興味を持つきっかけとして

「手話歌」は必要だと思います

 

マナミさんが手話歌を披露している場面

手話歌を知るきっかけを作ってくれたマナミさん

2017.12.16 新宿カールモールにて

シンガーソングライター

麻菜美(まなみ)さんが

手話歌を披露してくれました

彼女のライブを見たのがきっかけで

僕はその存在を初めて知りました

 

彼女が手話歌を始めたのは

耳の悪いおばあちゃんの為に

自分の歌をもっとよく伝えたい

という気持ちからでした

北海道にある実家のおばあちゃんは

とても喜んでくれたそうです

 

新宿カールモールのステージで歌う「マリノ」「マナミ」「ユカ」の3人

地域ごとに違う手話の表現

手話には「日本手話」と

「日本語対応手話」があるそうです

単語レベルではほぼ同じですが

前者は「ろう者」の方々が

耳の聞こえない世界で長い年月を

かけて作りあげてきたもの

 

後者は日本語がベースとなった

難聴の方々が使っているものです

手話にも種類があるんですね

ちなみに関東と関西では

手話の表現が変わってくるそうです

方言的な使われ方もしています

 

音楽のいいところは

歌に乗せて覚えてしまえば

それが記憶に残りやすいことです

なので自分の好きな曲に

手話をつけて歌ってもらえれば

単語くらいは覚えることができます

 

手話歌を聞くべきは僕たちのような人

手話歌を必要としているのは

「ろう者」や「難聴者」よりも

手話への興味、関心が薄い

僕たちのような人だと思います

「周りにそういった人がいるかも」

という意識が芽生えるからです

 

そうすると最低限の単語

「ありがとう」とか「さよなら」

くらいは覚えといた方がいいかなぁ

と考えるようになったりします

ボディランゲージでのやりとりは

意外と便利かもしれません

 

音楽ライブでも手話ができれば

ステージとPAのやりとりで

マイクを使わなくていいですし(笑)

何にせよそういった気付きを

与えてくれたマナミさんに感謝です

※「あなたの知らない手話の世界」

著者:竹田英雄 (参考文献)

 

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