「ライブバーの空間っていうのが
我々にはちょうどいいんですよね」
都内のスタジオで音楽セッションして
軽く飲んだ帰りの電車の中
Hさんはほろ酔い加減でそう言いました
Hさんは僕より少し上の世代
40代半ばにさしかかったドラマーです
奥さんもシンガーとして活動して
お子さんも2人いらっしゃいます
1970年代より前に生まれた世代で
社会人として働きながら
音楽活動や楽器を続けている人は
実は意外とたくさんいます
そういった人たちが演奏するのは
主にスタジオやライブバーです
なぜ大人はライブバーでの演奏を好むのか?
このサイトで取材した記事も
ライブハウスとライブバーが
半々くらいの割合となりますが
30代~のバンドやプレイヤーは
7~8割がライブバーでの演奏です
ではなぜ大人プレイヤーたちは
ライブハウスではなくライブバーでの
演奏を選ぶのでしょうか?
Hさんとの会話の中でいくつか
ヒントも出てきたのでまとめてみます
大人バンドがライブバーを選ぶ理由
ライブバーの雰囲気がお酒を飲みやすい
というのがまず挙げられます
ライブハウスでも飲めますが
スタンディングの店も多いですし
ゆっくり食事できる場所も少ないです
そもそもライブハウスという空間が
10~20代のお客さんを
メインターゲットに作られている
ことがほとんどなので
30代~の方には落ち着かなかったり
場違いだと感じる方も多いと思います
僕は慣れてしまっているので
特に抵抗はありませんが
楽器やバンド経験の無い大人が
あの場所に飛び込むことに
抵抗あるというのは理解できます
同世代の知り合いを呼びやすい空間かどうか
するとどうなるか?
ここから次の要因にも繋がりますが
大人バンドがライブハウスで
ライブをやる際に知り合いを
呼ぶ時のハードルが上がります
ライブをやる時には
大抵チケットノルマというのが
ありますので、チケットが売れないと
バンド側で不足分の金額を
負担しなければならなくなります
そうなると、ライブハウスで
演奏するよりも手軽に出演できて
知り合いも呼びやすいライブバーで
やろうか、となるのは自然な流れです
ライブハウスでの演奏を好むケース
例外的に集客力のある大人バンドは
ライブハウスでの演奏を好みます
なぜなら、呼べる人数が多いと
ライブバーだと入りきらないからです
そしてチケットノルマをクリアすれば
頑張った分だけバンド側にも
バックが入ってきます
社会人バンドでこの域に達している
バンドというのはそう多くありません
20年以上活動を続けてきて
地道にお客さんや仲間を増やしてきた
ケースであることが殆どです
ライブハウスが今まで提供してきた付加価値
そして10~20代の若者たちも
ライブハウスでの演奏を好みます
「メジャーになってやる!」
という気持ちの強いバンドは
そこで演奏するものだという
想いがあるのかもしれませんね
「夢追う若者たちのステージ」
というのが今までライブハウスが
提供してきた付加価値だと思います
デビューに繋がっている場所という
イメージがあったからこそ
成り立ってきた商売でもあります
そしてそのイメージが
すっかり薄まってしまった昨今
SNSなどのオンライン上で
ライブ配信などもできてしまう時代
そしてこれからやってくる
深刻な少子高齢化社会
夢追う若者が減ってしまう日本の未来
ライブハウスきついなぁ(笑)
「んなこたぁ、分かってるよ!」
と言われてしまいそうですが
この現実は確実にやってきますからね
そうなると「付加価値」の変更
大人バンドがそこで演奏するメリット
などがついてこないと
若者がこれだけ減ってく世の中で
生き残っていくのは難しいことです
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