3.11東日本大震災での約束~彼女が福島を伝えるために作った曲~

2017年3月9日の午前10時33分

こんなメッセージがLINEに届きました

【坂田さん、お久しぶりです

もうすぐ3.11なので、何か自分にも

できることを今年もやりたいと思い

ご連絡差し上げました】

 

差出人はシンガーソングライターの

詠美衣(えみい)さん

去年、被災地を回った時の写真を使い

動画を作ろうと思っているので

以前に撮影したデータの元ファイルを

いただけないかという依頼でした

 

シンガーソングライターの詠美衣が下北沢 Com.Cafe音倉のステージで歌っている場面

津波に飲み込まれるまで避難勧告を呼びかけていたパトカー

2016.4.17
下北沢 Com.Cafe音倉にて

おこなわれた彼女のワンマンライブ

その時に歌った曲の動画です

東日本大震災を風化させないという

彼女の想いを受けて

勿論すぐにファイルをお送りしました

 

この曲は彼女が福島県で作ったものです

ライブでこんな話をしてくれました

「当時24歳の警部補だった

佐藤雄太さんは住民の方々の命の為に

津波に飲み込まれる最後まで避難勧告を

パトカーから呼びかけていました」

 

そしてそのパトカーは現在

福島県の富岡町に被災パトカーとして

展示されています

彼女はそこで彼のご両親に会い

その使命感と優しさにとても

感動したということを伝えました

 

約2年ぶりに福島いわきの児童養護施設の子どもたちとの再会を果たした詠美衣さん
約2年ぶりに福島いわきの児童養護施設の子どもたちとの再会を果たした詠美衣さん

それをちょうど聞いていた

ラジオ福島の人が彼女にこう言います

「じゃあ君、佐藤雄太くんの歌を

福島のことを知らない東京の人に

伝えるための歌を作ってくれないか」

 

それがきっかけで作ったのが

この「守りたいもの」という曲です

当日、撮影しながら

その曲に込められた想いに

深く感動したのを今でも覚えています

 

人は忘れる生き物です

忘れることで辛いことや悲しいことを

過去に置いていくことができます

しかし、忘れ去ってはいけない

風化させてはいけないこともあります

それがこういった震災

そして被災者たちの想いです

 

シンガーソングライターの詠美衣が下北沢 Com.Cafe音倉のステージで歌っている場面

震災の辛さをほんの少し柔らかくしてくれる彼女の歌

直接、思い出すには

あまりに辛い出来事かもしれません

そういった時に音楽があると

その辛さをほんの少しだけ

優しく、柔らかく思い出させてくれます

詠美衣さんは自分の音楽の使命が

そこにあると思いながら活動しています

 

福島の人達と交わした約束

2011年3月11日

あれからもう6年が経ちました

止まらない時の流れの中で誰かが

伝え続けていかなければならない

その1人がきっと彼女なのだと思います

 

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